脂肪燃焼の仕組み
ここでは、さらに細かく脂肪燃焼の仕組みを説明する。「脂肪」って何?
私たちは、食べものを食べることで生きるためのエネルギーを体に取り入れる。 体の中に取り入れたエネルギーのうち、使いきれなかったり、そもそも食べ過ぎたりして生じた余分なエネルギーを体の中に蓄えたのが「脂肪」。 脂肪は細かく分類すると、皮下脂肪と内臓脂肪がある。 一般的に男性に多いのが内臓脂肪、女性に多いのが皮下脂肪と言われているが、もちろん個人差は大きい。 いずれにせよ体内に溜めこんだエネルギーを固形燃料のように固めたものが脂肪、脂肪を燃やすとは、この固形燃料を消費するということ。 実はこの固形燃料、何もしなければ消費されず、恐ろしいことにずーっと体の中に蓄積されてしまう! どうしたらこの余分な固形燃料「脂肪」を、減らすことができるのか?まずは脂肪を分解
私たちの体に蓄えられた脂肪を減らすためには、最初に固形である脂肪を使える状態にしなければならない(脂肪分解)。 分解されることで脂肪は血液中に出ることができ(脂肪動員)、そこで初めて脂肪は使えるようになる(脂肪燃焼)。 脂肪を減らすためには、そのような流れになることをまずはしっかり理解しておいて♪脂肪燃焼の順序
- 脂肪分解→エネルギーとして利用できる形に脂肪が分解される
- 脂肪動員→分解された脂肪が血液の中に分泌される
- 脂肪燃焼→酸素と結びつきエネルギーとして利用される
運動が脂肪分解のスイッチ
そして、脂肪を分解するためには、まずどうしたらいいかというと、それは「運動」。 運動をすることで「アドレナリン」という、脂肪動員ホルモンが出る。 アドレナリンは体内にあるリパーゼという酵素が活性化、そのリパーゼが脂肪を分解してくれる。 これが運動による脂肪分解の促進のメカニズム!脂肪を燃やすためには
しっかりと理解してもらいたいのが、脂肪を分解するだけでは脂肪や減らない、ということ。 分解された脂肪は、消費されないと再び「固形燃料」へ戻ってしまう。 つまり分解するだけではダメ!燃焼という次のステップが必要ということ!脂肪を燃やしたい!
分解した脂肪ををエネルギーとして消費するにも、やはり運動が必要。 リパーゼは寒さや暑さなど、温度の変化によっても活性化される。 例えばお風呂。入浴で温度の刺激を受けたり汗をかくことによって、脂肪を分解することはできる。 でも、せっかく脂肪が「分解」されてもの「燃焼」はされないので、結局もとの脂肪に戻ってしまう。 それでは脂肪は減らない……脂肪を燃焼させる運動は酸素が必要
脂肪を分解した後の、燃焼ステージでは運動が必要。そしてその際、運動だけでなく酸素も必要となってくる。 筋肉が動く時、そのエネルギー源は脂肪と糖が使われるけど、酸素と結びつくことによって継続的に力が発揮できる。 ちなみに、筋肉は酸素無しでも働くことができる。この場合は無酸素運動となって、長く動き続けることができないし、脂肪も効率良く燃焼されない。 つまり、脂肪燃焼に有効な運動は有酸素運動! 有酸素運動は常に酸素を体が取り込むことができ、効率的に脂肪を燃焼させることができる。 どのような運動が有効なのか、週にどれくらい行うべきか、どれくらいの強さが必要なのかを下にまとめたので、参考にしてみて。脂肪を燃焼させるための運動
運動の種類
- ウォーキング
- ジョギング
- 水泳
- 自転車
- ダンス
- 縄跳び
ポイント
ほぼ全ての運動は有酸素運動にも無酸素運動にもなり得る! 重要なのは心拍数=運動の強度(激しさ)。
運動の強度
運動が終わった後に軽く心臓がドキドキするくらい。呼吸が少し上がりつつも運動が続けられるくらいの強さ。うっすら汗をかくくらいの運動。 話しながら続けられる強度の運動がより脂肪燃焼のための有酸素運動として効率的。 ダイエットを頑張る!という意識のために激しい運動をしても、逆に体が酸素を取り込みにくくなり脂肪燃焼効果は薄れる。 目標心拍数の求め方運動の時間
1回に20分ほど継続できると理想。 だけど、最近の研究では細切れ時間でも1日の合計で30〜60分間程度になれば効果があるとも言われている。運動の頻度
可能であれば毎日~週5回が目標。 登下校や出勤・帰宅を早歩きにすることで、週5回ウォーキングの有酸素運動が達成できる。痩せやすい体質作り
運動によって脂肪を分解するためにスイッチが入り、運動(有酸素運動)によって脂肪を燃やすことができることは分かってもらえたと思う。 継続して脂肪を燃焼させる運動を続けていくと、次第に脂肪を燃やしやすい、痩せやすい体質に体が変化していく。 だいたい毎日30分程度の運動を3ヶ月から6ヶ月を続けていくと、体質が変わると言われていますよ。 ちょっと先ですが、太りにくく痩せやすい体質が手に入るなら、長い期間ではありません。 長く運動を続けていくためには、準備運動をしっかり行い、体調に合わせて時には運動を軽くする、あるいは体調が悪い時は休むなど、焦らず、無理をしないこともせず大切です。効率良く脂肪燃焼させるために
私たちの体は、運動でエネルギーを消費する時、脂肪(遊離脂肪酸)より先に糖分(糖質)由来のエネルギー源(グルコース)を使う性質を持っている。 脂肪は分解するプロセスが複雑なため、使える状態になるまでに時間が掛かり、ゆっくり時間をかけて消費されるエネルギー。一方、糖分は素速く燃焼できるエネルギー。 だから、運動を始めても最初に使われやすいのは糖分系エネルギーで、肝心の脂肪系エネルギーは燃焼されにくい。 だから有酸素運動の時に、体に糖分が多い状態になっていると効率が悪いというわけ。 解決策としては2つ。- 先に無酸素運動(≒筋トレ)をしてできる限り糖分を使っておく
- 有酸素運動の前に糖分が多い状態を避ける