ストレスが溜まると、それを紛らわすように過食に走ってしまうという人は多い。 そんな「ストレス食い」が今回のテーマ。 この記事では、ストレス食いの解決方法として次の3つの流れで紹介する。
- ストレスの原因を把握
- 把握した原因を元にストレスを解消
- 解消できない場合の代替策
場合によっては深刻な問題を抱えている事もあるから、この機会にストレス食いの原因を明らかにして、問題解決に役立てて欲しい。
ストレス食いと過食症の違い
まずは、この記事でカバーする範囲として、ストレス食いと過食症の違いを確認。
過食症は病気の一種
一般的に、異常に食べてしまう症状というと「過食症」を連想しがちだけど、過食症はストレス食いとは違いれっきとした病気のひとつ。 自分ではコントロールできないため、医療機関での治療が必要。 以下の項目に当てはまる場合は要注意!専門医の受診を検討しよう。
- BMIが25を超えている
- 脈が速い、首の周りが腫れぼったい、目が飛び出て見えるなどの症状がある
- 自分では制御できない食欲がある
- 大量に食べたあと、わざと吐いてしまう
ストレス食いは自分で解消
一方でストレスが溜まるとついつい食べてしまうのが「ストレス食い」。 ストレス食いはその名の通りストレスが原因の過食。 きちんと対処していくことで、あなた自身で解消できる可能性が十分にある。 あきらめず原因を明らかにして、一つ一つ対策していこう。
ストレス食いの害
ストレス!
たかがストレス食いなどと軽視するのはとても危険! 対処せずにストレス食いを続けていると、心と体にさまざまな悪影響を及ぼしてしまう。
精神に及ぼす影響
食べることで一時的にストレスが解消されたように見えても、その罪悪感がストレスになって蓄積、また食べてしまうという負のループが起こることもある。
身体に及ぼす影響
一番分かりやすい自覚症状が「肥満になる」こと。 さらに長期にわたりストレス食いを続けていると糖尿病や高血圧など、生活習慣病のリスクも上がり、食生活の乱れから便秘や肌荒れなども起きやすくなる。
ストレスが溜まるとなぜ食べる?
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幸せ体験
食べるという行為は、多くの場合幸せを感じる。その時あなたの中では、脳内物質のドーパミンが分泌され多幸感を得ているというわけ。 そのあたなの過去における「食べる事での幸せ体験」を体が覚えていて、ストレスというつらい状況を乗り切るために、幸せ体験を再現しようとするわけ。
理性のブレーキ
あなたのメンタルに余裕がある時、様々な理性は十分に効き目を表す。 細かい気遣いができたり、人に優しくできたりするのも同じと言える。 逆に、心に余裕が無い時に他人に優しい気持ちになれないのと同様、必要以上食べないようにする理性のブレーキは、まず効かない。
ストレスの原因
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ストレス食い解消のためには、まずストレスの原因を把握しておく必要がある。
人間関係のストレス食い
学校や職場、家庭環境や友人など人間関係の悩みが原因となるストレス。 10代は親との関係、学校や友人関係など悩みが多くなる時期。20代は職場や結婚、30代はさらにプラスして家庭の事など、人間関係におけるストレスは続く。
受験・就活・プレゼンなど大きなイベントでのストレス
人生の節目となって大きく立ちはだかる受験や就活。そこで大成功を収めるための努力は、やはり大きなストレスになる。 ダイエット部編集部へも、受験太りや就活によるストレス太りの相談は多く寄せられる。 社会人においては、クライアントや大きな会場などでのプレゼンなどはとてもストレスに感じるだろう。
進学・就職・転勤・転職など環境変化のストレス
受験・就活などの大きなハードルを乗り越えたと思ったら、今度は新しい環境に慣れるまでのストレス。 5月病などとも言われて、大学生や新入社員など若い世代に多く見られていたけど、転勤や転職など今は世代を問わず憂鬱な気分になる。 空気を読む事が重要とされる日本人社会で、やはり新しい環境に馴染むには時間が掛かるから、そのストレスは精神を削る理由の一つになる。
ダイエット自体へのストレス
無理なダイエットなどダイエット中は無理な食事制限などがストレスの原因に。 偏った食生活はストレスを生むだけでなく、体にもよくない。 特に、ダイエットをボクサーの減量のように、一時的に集中して取り組むべきもの!と考え、食事制限をするような場合も、ダイエット自体が大きなストレスとなってリバウンドするケースがとても多い。 過度なダイエットストレスで生理が止まってしまう場合もあり、そうなってくると健康自体も非常に心配になる。
食事面でのストレス
満足感
きちんと食べているつもりでも、実はその食事内容では満たされていないかもしれない。 カップ麺など簡単なもので済ませていると、食事をした!という満足感を得られていない可能性も。
罪悪感
そして、「食べること=悪いこと」という考えもストレス要因。食に対する罪悪感や恐怖心があると、食事をするたびにストレスを感じてしまう。
栄養不足
栄養不足も体にとってはストレスになる。頭では分かりにくくても、栄養不足のストレスは体に様々な不調として現れる。
睡眠不足のストレス
夜更かし、遊びすぎなど、慢性的な睡眠不足は10代でも40代でも世代を問わずに多い問題。 様々な理由があったとしても、睡眠の価値が低く見られていることが原因。 睡眠・食事・適度な運動は、ダイエットや美容の前に、動物として基本中の基本。 睡眠不足が続けば、精神的にも肉体的にも気づきにくいストレスが少しずつ蓄積されていく。
運動不足のストレス
前出の通り、運動不足もストレスの原因。 だけど、日ごろ運動習慣が無い人ほど運動不足のストレスは気付きにくい点は注意が必要。 スポーツの習慣が無い人も、できる限り歩いたり階段を使ったりする習慣を身に付け、体を動かすようにしておくと良い。
ストレス食いをやめるには?
悩みを解決する
ストレスの原因と向き合う重要性がわかったところで、ここからは対処法を紹介していく。
人間関係のストレス解消法
世界を複数持つ
学生にとっては特に学校関係の世界が全てになりやすい。社会人にとっても、仕事があまりに忙しいと職場が世界の全てになってしまうケースもある。主婦は家庭が該当する。 でも、実際は外の世界の方がはるかに広く、あなたの知らない楽しいことや面白いことが山ほどあるし、その世界の全てだと思っていた常識や価値観は、実はとてもローカルなルールなのかもしれない。 そして、学生・社会人問わず、世界が一つしか無いと生きていくリスクが高い。だから学校や職場、家庭以外にもう一つ、二つほど別の世界を持つことがオススメ。 具体的には趣味のコミュニティなど、すでにある「しがらみ」とはまったく別の世界が良い。
環境を変えてみる
もしあなたが社会人であれば、一人暮らしをしたり
長期休暇をしたりなど、心と体を休めてみるのも良いかもしれない。 思い切って環境を変えてみることで、ライフスタイルの変化から状況がよくなることも。仕事などのストレスが抱えきれないほどになってしまったときは逃げるのもとても有効な手段!
とにかく笑顔で人と接する
「相手は自分を映す鏡」とも言われるように、相手からも同じように思われている場合が多い。苦手な人がいるのなら、意識して笑顔を見せるよう心がけてみよう。 笑うことは対人関係のみでなく、自分自身の気持ちも前向きにさせるというプラスの効果もある。
大きなイベントのストレス解消法
受験や就活など、人生に一度しか無いイベントに慣れるという解決策は難しい。 日頃からテストや面談などを本番に向けた予行練習の場と想定して、貴重な機会として捉えておくのも一つの手。 受験勉強に関しては、1分でも5分でも良いので仮眠をとったり全く別のことをして頭を空っぽにする、就活でもスポーツをしたりカラオケをしたりするなど、一旦頭をリセットする方法はおすすめ。 その他、不定期に繰り返されるイベントのストレスには、場数を踏んで慣れるのが1番。 実はある程度のストレスは、自分のパフォーマンスを上げるのに必須な要素。
環境変化のストレス解消法
環境の変化に馴染むには、どうしても時間が掛る。特に環境の変化の大部分を占める人間関係は、簡単には慣れはしない。 そんな時は焦らずリラックス。そもそも、人間関係、信頼関係の構築は時間が掛かるもの。焦らずじっくりと積み重ねていけばOK。 環境の変化は、まるで冒険に出たつもりで望めば、新しいこと、知らないことがあって当たり前。
ダイエットのストレス解消法
ダイエットのストレス解消法はある意味とてもシンプル。 大きなストレスを感じたり、リバウンドしたり、ドカ食いするようなダイエット法は間違っている、または自分に合っていない。 だから、ただそのダイエットを辞めてしまえば良い。 ダイエットは一時的に取り組むような浅いものじゃない。健康で美しい女性であるために、死ぬまで続けていく気の長い取り組みだと考えて、毎日続けられないようなダイエット法は初めから不採用!
食事のストレス解消法
満足感を得る
食事の仕方も見直してみよう。
献立の品数を増やしたりじっくり味わって食べる。 本当に食べたいものを選ぶようにし、人と一緒に食べるなど食べることを楽しむような食べ方をすれば、自然と満足感も得られるようになる。
罪悪感なんて必要無い
ストレス発散のために食べることは決して悪いことではない。 食事は体の栄養のためだけではない。好きなものを食べることは心の栄養にもなる。たまには「ご褒美デー」を設けて、好きなものを食べる喜びを噛みしめよう。
ダイエット時こそ栄養が必要
無理な食事制限をするようなダイエットは、ストレスやリバウンドの原因にもなるためおすすめできない。 心も身体も健康的に痩せたいのなら、むしろ食べるべき! 食べて痩せてこそ、本当のダイエット。
睡眠はしっかりとろう
そのメッセージは本当に今すぐ返す必要があるのか? そのネットニュースは今必ず読まないといけないものなのか?? そのSNSは??? 受験勉強や仕事の準備など、どうしても夜更かししなければならない場合以外、無駄な時間を過ごしていないかよく振り返ってみると良いかもしれない。
体を動かそう
ダイエットするなら、制限よりもエネルギー消費に力を入れてみよう。 適度な運動は筋肉をつけ代謝をアップさせるだけでなく、ストレス発散にもなる。 汗をかくくらい運動している最中は、頭に引っかかっていたモヤモヤの事なんて、すっかり忘れているに違いない。
どうしてもお腹が空いたら
食べ過ぎを防ぐには
水を飲む
水を飲むことは空腹を紛らわすだけでなく、代謝アップやむくみ解消など、体にもよい効果をもたらす。 苦手な場合は糖質やカロリーがないものなら水でなくてもOK。
炭酸水
炭酸の程よい刺激が気持ちもリフレッシュさせてくれる。 最近ではさまざまなフレーバーの無糖炭酸水も販売されているから、色々なフレーバーを楽しむのもおすすめ。 ちなみに炭酸水と炭酸飲料はまったく別物。砂糖が一切入っていない炭酸水を選ぼう!
お茶
お茶は種類によってさまざまな効果・効能も得られる。 リラックス効果のあるハーブティーを飲めば、溜まったストレスも和らげてくれる。
適度な間食をとる
健康な人ならお腹が空くのはごく自然なこと。 ダラダラと食べるのは良くないけれど、適度な間食はストレスの緩和に効果的。 食事と間食でカロリーをうまく調整しつつ、気分転換のおやつタイムを楽しもう。
まとめ
ストレス食いを解消したい
ストレス食いをしてしまうのは、ストレスから心がSOSを出している証拠。 ただ食べることを我慢するのではなく、まずはストレスの原因と向き合うことが大切。 制限するよりも自分にとってプラスになる効果に重点をおいて、無理なくストレス食いを解消していこう。