がんばって運動しているのに脚やせが進まない…… 痩せてるのに下腹だけポッコリ…… その理由はもしかしたら骨盤の歪みかもしれない。 骨盤の「前後の歪み」や「左右の歪み」、骨盤周りの「筋肉の柔軟性」。 これら3つの解決に役立つ運動方法を紹介。
「骨盤の歪み」とは

骨盤の歪み
よく「骨盤が歪んでいる」「骨盤を整える」という言葉を耳にするけれど、そもそも骨盤の歪みってどんな状態か知ってる? 骨盤は、大きなひとつの骨ではなく寛骨(かんこつ)・仙骨(せんこつ)・尾骨(びこつ)という3つの骨から成り立っている。 交通事故などで大きな衝撃を受けた場合を除いて、「骨盤が歪んでいる」と言っても、骨の形そのものが変形している、という意味ではない。 全身のどの骨もそうだけれど、骨の周りには筋肉がついている。 骨盤が歪んでいる状態というのは、骨盤周りについている筋肉それぞれの筋力バランスが崩れることで、それに引っ張られるようにして骨盤が前後左右に傾いたり、あるいはねじれたりする状態を指す。
骨盤が歪むとどうなるのか
骨盤は腰回りの大きな骨組みだから、その歪みは腰痛や姿勢が悪くなる原因になる。 また、骨盤は腸などの内臓を囲うような骨組みになっているから、骨盤が歪むと内臓の動きが鈍くなり、便秘の原因にもなる。 骨盤は上半身と下半身を繋ぐ大きな骨組みなので、骨盤に歪みが生じると最終的にはそれが背骨を通して上半身にも影響を与えたり、あるいは太ももの骨を通して下半身にも影響を与えたりと全身に悪影響がある。 つまり骨盤の歪みは想像以上に全身に影響がある。
- 偏った筋肉が付いて痩せにくい
- 便秘
- 脂肪が付きやすい
- ポッコリお腹
- 姿勢が悪いと美人に見えない
- 猫背や出っ尻
- 腰痛・肩こり
逆に、体の中心にあって体を支えている骨盤だからこそ、ここの歪みを整えることは上半身、下半身の歪みを整えることにも繋がる。
骨盤の前後の歪みを整える

骨盤の前後の歪み
骨盤を前後から支えている筋力のバランスが崩れたり、前後の筋肉が硬くなると骨盤が前傾・後傾し、前傾していると反り腰や腰痛の原因、後傾していると猫背やポッコリお腹、背中に脂肪がつきやすくなる原因になる。 次のキャットストレッチでは、骨盤の前後の筋肉を柔らかく動きやすくして、前後の筋肉バランスを整えるから、猫背や反り腰、腰痛、便秘の改善に効果的。
キャット&カウ ストレッチ

キャット&カウ ストレッチ
やり方
- 4つんばいになる 手は肩幅に開き、肩の真下に手首を置く
- 足は腰幅に開き、足の付け根の真下に膝を置いて、足の甲は寝かせる 視線は半歩前の床を見つめる
- 吐きながら 背中を丸めて視線はおへそを覗き込む
- 吸いながら 背中を反らせて視線は斜め上へ
- この動きを3~4を1セットとして10セット程繰り返す
動画
注意点
- 動画ではわりとはやく動いているけれど、ゆっくりと呼吸をしながら吸う
- 吐くのペースに合わせて行う(目安は「吸う」で8秒、「吐く」で8秒程)
- 吐きながら背中を丸める時は、背中を天井に突き上げ、おへそを覗き込んでお尻の穴が床に向く位までしっかりと腰から背中を丸める
- 吸いながら背中を反らせるときは、お尻の穴を天井に向けるようなイメージで腰からしっかりと反らせる
- 吸う吐くの呼吸に合わせて、自分の骨盤を意識して前に傾けたり、後ろに傾けたりを繰り返す
骨盤の高さの違い(左右の歪み)を整える

骨盤の左右の歪み
骨盤を左右から支えている筋力のバランスが崩れたり、筋力が衰えてくると骨盤の左右の歪みが生じ、骨盤の左右の高さの違いに繋がる。 (正面から体を見た時に、左右どちらかの骨盤が上がったり、下がったりしている状態。) 足の長さの違いや、腰痛、肩こりにも繋がる歪み。 次のお尻の上げ下げストレッチでは、骨盤を左右から支えているお腹の横の筋肉を鍛え、左右の筋肉バランスを整えて、足の長さの違いや腰痛、肩こり改善に効果的。
お尻の上げ下げストレッチ
やり方
- 長座で足を閉じて座る
- 骨盤を床と垂直に立てて背筋を伸ばして座り、両手は胸の前でクロスして肩に当てる
- 肩の高さを変えないように息を吸いながら、右のお尻を持ち上げて右のわき腹を縮める
- 息を吐きながら右のお尻をゆっくりと床におろす
- 今度は息吸いながら左のお尻を持ち上げて左のわき腹を縮める
- 息を吐きながら左のお尻をゆっくりと床におろす
- 左右やって1セット、これを10セット繰り返す
動画
(動画の中の0:37~1:05のような動きで、腕は両肩にクロスする)
注意点
- 骨盤を床と垂直に立てて、まっすぐな姿勢のまま行う(背中が丸まってしまうと、腹筋に効かない)
- お尻を持ち上げた時に、お尻が前に出ないように真横に持ち上げる(正しく行うと脇腹が痛くなる)
- 肩の高さがシーソーのように上がり下がりしないように、肩の位置は床と水平に保ったままお尻だけを上げ下げする
骨盤周りの筋肉を柔らかくする
最後は、骨盤周りの筋肉の柔軟性を高めるストレッチ。 骨盤の歪みを整える上で、筋肉を鍛えることも大切だけれど、同じだけ筋肉を伸ばし、柔軟性を高めることも大切。 「鍛える」と「柔軟性を高める」、両方をバランス良く行うことで歪みなく安定した骨盤を保つことが出来る。 次の片足前屈では、骨盤周りを支えている腰回りとお尻の筋肉の柔軟性を高め、腰痛や反り腰改善、またお尻のこりの改善にも効果的。
片足前屈
やり方
- 長座で足を閉じて座る
- 右ひざを立てて外に倒し右足の裏を左ももの内側につける
- 息を吸いながら両腕を前から上に上げて背伸びをし
- 息を吐きながら体を前に倒す
- 首や肩・ひじの力を緩め、体を前に倒したままキープ
- 腰回りや右のお尻の筋肉の伸びを感じながら、ゆっくりと呼吸を繰り返す
- 呼吸をしながらもう少し伸びを深められそうであれば、吐きながらあと少し体を前に倒す
- 反対も同様 左右1セットずつでOK
動画
注意点
- 深い呼吸を止めない!呼吸を止めると筋肉は固まって伸び辛くなる為、ストレッチの時は特に深く呼吸をする
- がんばって前に倒そうとしない
- 深く呼吸をしたまま倒せるところまでで止めて、あとはゆっくり呼吸を深めながら、腰回りやお尻の筋肉が伸びていることに意識を向ける
まとめ

骨盤の歪みを整えてダイエット
骨盤の歪みは姿勢の歪み。 姿勢の歪みは、全身の筋肉や脂肪の付き方にも影響を与える。 体の基盤となる部分だから、その歪みは思っていた以上に、悪い影響があることが分かってもらえたと思う。 ダイエットを効率よく進めるためにも、ここで紹介した3つの運動を使って骨盤の歪みを整え、姿勢美人を目指そう!