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脂質とは
まずはこの記事のテーマである「脂質」が何かをしっかりと定義したい。 ここでの脂質とは、油、脂、あぶら、オイルとも言われる、食品として口に入れるアブラの成分を指す。 漢字では、常温で液体のものを「油」、個体のものを「脂」と書き分ける。例えば、オリーブオイルやサラダ油が液体の油で、バターやマーガリンなどが固形の脂ということ。 つまり、液体としての油と個体としての脂、どちらもひっくるめて食べ物としての脂質としている。だから肥満などで体に付いている脂肪とは、別物として考えて欲しい。3大栄養素の一つ
脂質は、3大栄養素「脂質・糖質・タンパク質」の一つ。 ちなみに「食物繊維」、「ビタミン」、「ミネラル」を足して6大栄養素ともされるけれど、とにかく人間が生きていくために絶対に必要な栄養素というわけ。カロリーが高い
糖質やタンパク質は、1グラムあたり4キロカロリーのエネルギーを持つことに比較して、1グラムあたり9キロカロリーと、3大栄養素の中でも最も高いエネルギーを持つ。ダイエットで敬遠されがち
そんなカロリーの高さから、ダイエット女性からは目の敵にされやすいのが脂質。 ダイエット女性の体についている脂肪は、この「脂質を取るとそのまま脂肪になる」という誤解やイメージからカットされやすいのが脂質。栄養素としての脂質の役割
脂質はとりすぎると肥満の原因となることから、悪者と思われがち。確かにダイエット中の人はある程度脂質を抑えることは必要。 ただ、脂質は健康や美容を保つために重要な栄養素でもある。 脂質は以下のようなさまざまな役割を担っている。- 肌や髪などの潤いを保つ
- 細胞膜やホルモンの材料になる
- 脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・Kなど)の吸収を助ける
- 体温を維持する
- 内臓を保護する
脂質がダイエット中でも必要な理由
結論から言うと、脂質は多すぎても少なすぎてもダメ! だから「ダイエット中だから脂質は徹底排除!」なんて人は要注意。 肥満の原因でもある脂質だけど、減らしすぎると健康や美容によくない影響がある。 ここからは、脂質がダイエット中でも必要な理由を挙げていく。理由1. 空腹を回避できる
脂質は糖質やたんぱく質に比べ、消化・吸収に時間がかかる。 つまり胃の中での滞在時間が長いことから、腹持ちがよいと言える。 そんな脂質を必要以上に減らしすぎてしまうと、胃の中が早く空っぽになってしまいお腹がすく。 空腹はダイエットの敵。 我慢することはストレスにつながったり、反動で余計に食べ過ぎてしまう原因になる。理由2. 食事の満足感を得られる
人間が脂質を欲するのは自然なこと。脂肪には旨味成分が含まれていて、第六の味覚として「脂味」が発見されたという研究もある。 脂質を抑えることに一生懸命になりすぎて、食事を美味しく食べられないのもよくない。 何かと我慢の多いダイエット中だからこそ、食事を美味しくじっくりと味わうことはとても大切。 極端に脂質を減らしすぎると満足感が得られず、食事をすることがかえってストレスやモチベーションの低下につながってしまうことも。 とり過ぎるとダイエットの妨げとなる脂質だけど、適度に取り入れることでコクや旨味がプラスされ、食事の満足度をアップさせるというメリットがある。理由3. 肌荒れや髪のパサツキを解消できる
女性にとって美しさの象徴とも言える肌や髪。 脂質を全くとらないと、肌荒れや髪のパサつきの原因になることも。 せっかくダイエットをしても、髪や肌の潤いを失ってしまうようでは、決して美しい痩せ方とは言えない。 ダイエット中は栄養が偏りやすい。 美しく痩せるためには脂質も適度にとり、肌や髪の潤いを維持しよう。理由4. 体の冷えを解消できる
脂質は体温を調節する役割をもつため、不足すると体温が下がり、代謝の低下につながる。 体の脂肪を減らしたいがために極端に脂質を抑えることで、逆に脂肪を燃焼しにくい体になってしまうことも。理由5. 体を動かすエネルギーになる
脂質は人が活動する上での重要なエネルギー源。 そのエネルギーが不足してしまうと、疲れやすくなったり体の抵抗力が弱まるなど、体の不調が起きやすくなる。 体調が優れないことから運動不足になったり、普段の生活も怠け気味になったりと、ダイエットを妨げる要因に。 減らす一方ではなく、きちんとエネルギーを補給して、しっかりと燃焼させるようにしよう。理由6. 便秘が解消される
ダイエット中の女性に特に起こりがちな「便秘」! もちろん原因は一つでは無いけど、理由の一つに油分の控えすぎが考えられる。 だから、オリーブオイルをそのままスプーン一杯飲むと便秘に有効であることも研究されている。 もちろん、オイルをそのまま飲むのに抵抗があるなら、例えばサラダにオリーブオイルをかけて摂取するのもアリ♪ ダイエットを始めたら便が出にくくなった!なんて人は、脂質を控えすぎていないか思い返してみて欲しい。とりたい油と控えたい油とは?
脂質の中でもとった方がよい油と、控えた方がよい油がある。それを左右するのが脂質を構成する成分である脂肪酸。 脂質は大きく分けて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類される。 このうち特に気をつけたいのが、バターや肉などの動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸。 飽和脂肪酸をとりすぎると、血液中にコレステロールや中性脂肪を増やしてしまう。 一方コレステロール値の改善など、体によい効果をもたらすのが植物や魚の脂に多く含まれる不飽和脂肪酸。- オリーブオイルなどに多く含まれるオレイン酸
- 大豆油やコーン油などに含まれるリノール酸
- えごま油や亜麻仁油などに含まれるα-リノレン酸
- サバなどの青魚含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)